2014年4月前場覚医師(診療顧問医)から心臓血管外科を引き継ぎ、早や9年が経とうとしている。患者を目の前に、毎日、毎日、一生懸命、真面目に「患者と共に生きる」医療を実践してきたせいなのか、あっという間に時が過ぎ去った気がする。そして自問自答する。果たして、思い描いた道筋を自分は歩んできているのだろうか？

　「一生懸命と真面目のレベルが下がる、それを慢心と呼ぶ。」故野村克也(プロ野球)監督は述べている。もっともっと上のレベルを目指さなければいけないのではないか？

　無論、僕たちの仕事は、スポーツではなく、患者を相手にしているが故、何が勝利で、何が敗北なのかは明確に表されることはない。そのため、漫然と過ぎ去る日々を、ただただ仕事をこなしていれば、誰からも文句を言われることもなく、生きていくことのできる職業である。ただ、僕たちの中では、忘れてはいけないことがある。それは、患者が生きて、生きる喜びや幸せを、実感してもらえなければ、僕たちは職務を全うしたと言えないことである。患者に評価される仕事なのだ。

　引き続き、広大な会津・南会津医療圏の地域住民の方々に、「循環器疾患は竹田綜合病院で。」と信頼していただくことを、目指していこうと思う。今年は、更に、より多くの患者さんに、同様の評価をいただけるように、自分自身慢心することなく、向上心を持って、自分の力量や器を伸ばし、大きく努力し続けたい。