病院長あいさつ
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昨年は平成天皇が御退位され、令和天皇御即位の改元の年となりました。様々な行事が行われ、天皇陛下の国民に対する『信頼と感謝の想い』が伝わり、国の内外に日本の平和と皇室の存在がアピールできたものと思います。特に、皇室・皇族と国民の距離がより近くなったことに心が温まる感じがします。さて、陛下のお言葉からも、平成の時代は戦争もなく平和な時代でしたが、心を痛める大きな自然災害・事故・事件が多くありました。令和は、穏やかな時代の幕開けと思っていましたが、台風に伴う多くの風水害が引き続き起ってしまいました。天災とはいえ、これは行政や国民の努力、心がけでもっと被害を最小限にできることも含まれており、きっと乗り越えていけることは少なくないと思います。
Vision TAKEDA-2020が策定され、新たなステージを迎え新規事業が次々とはじまっています。昨年の地域医療フォーラムでは、当財団の目指す取り組みを地域の皆様にお伝えしましたが、高齢者やこども障がい者も皆さんがしあわせに住むことのできる地域づくり、これが国の目指す地域包括ケアシステムです。そして、いよいよ看護小規模多機能型居宅介護施設や総合発達支援プラザなどの新規事業が開始されました。当財団独自の「住まい」「医療」「介護」「予防」「生活支援」が切れ目なく一体的に提供される体制が完成し、会津の、そして日本のどこからもお手本となる街づくりができるものと思います。社会保障費の増加は必至な中、医療費抑制の方向性は変わりません。医療の質を向上、確保するために、施設の充実や新しい医療機器や技術の導入を行ってきましたが、その適正化には予防・介護は重要な位置にあり、ここに注力していくことが重要です。「かをり」「オレンジ」「ふらっぷ」はこれからの介護、福祉分野の大事な事業所となります。
研修医のマッチングは県内一の人気で、ついに8年連続フルマッチを達成いたしました。平成16年8名からスタートした当院の臨床研修医制度は、定員が増え、10名となりいよいよ4月からは12名の研修医がやってきます。施設が新しい、研修内容が充実している、積極的な臨床への参加、研修医や上級医とのコミュニケーション、働くスタッフ同士の雰囲気が良いことなどを学生から耳にしますが。何よりコメディカル、事務職も含め病院職員全体で、若い先生を育てていこうという組織風土が好評のようです。
ダビンチSiからXiに更新となった当院ロボット手術ですが、泌尿器科、外科を中心として東北最多の手術件数を目指しています。若い先生たちにもその機会を多く経験させることで、これからの外科医たちのやる気だけではなく実力を存分に延ばして行きたいと考えています。専門医を目指す先生方には、極めて身近な臨床力をつけるチャンスに巡り合えることができるでしょう。
ラグビーワルドカップが日本で開催され、日本代表チーム「ブレイブ・ブロッサムズ」はベスト8というワールドカップ史上最高の成績を収めることができました。このチームのスローガンが 「One Team」でした。突出した個人の力よりも、強固な信頼関係でまとめ上げたチームは、全員が献身的にボールをつなぎ一歩一歩前に進みます。観客ばかりかTV観戦の素人のにわかファンまで心を掴み、すべての人が一体感に心を熱くさせられました。チーム医療もこうでなくてはならない。私たちも「One Team」を目指し、直接医療にかかわらないスタッフまでもが家族と感じられるような病院づくりを目指したいと心に誓います。
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病院長 本田 雅人
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