福島県会津若松市にある地域密着型総合病院

財団法人 竹田綜合病院
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理事長あいさつ

 

竹田健康財団では平成27年12月に総合医療センターのグランドオープンを迎えました。平成28年は今回の施設整備計画の最終工事として総合医療センターと山鹿クリニックの連絡通路の建設に着手し、7月に無事竣工いたしました。長期にわたる一連の事業の推進にあたりましては、本当に大勢の方々のお世話になりましたことを心より感謝申し上げます。また会津若松市でも現在一之丁通りの拡幅工事を進めていますので、今春には病院へのアクセスの利便性が更に向上するものと期待されます。これからも地域の皆様から信頼される医療機関となるよう、職員一同取り組んでいく所存でありますので本年もよろしくお願いいたします。

11月17日に財政制度等審議会による「平成29年度予算の編成等に関する建議」が発表されました。その中では社会保障関係費の伸びを平成28年度に引き続き5000億円に抑えるべきであるとされています。(概算要求時点では自然増を6400億円と見積もられています)このため厚生労働省は高齢者の高額療養費制度を見直して、69歳以下と同等の負担を求めることや入院時の光熱水費の負担等を検討しています。また話題になっている高額な抗がん剤オプジーボ(年間の薬剤費は患者一人につき約3500万円)についても半額程度に引き下げられそうです。いずれにしても来年は医療・介護について国民の負担が増えることは間違いありませんが、財政的な視点だけを強調して政策を考えるという方法論については一度慎重に考え直す必要があると思います。

それは財政上の理由から緊縮政策をとって社会保障費を削減すると、健康についての深刻な影響を及ぼす可能性があるからです。そのことを立証した本の一つに「経済政策で人は死ぬか」(共著:デヴィット・スタックラー、サンジェイ・パス)があります。

刺激的なタイトルですが、この本で英国と米国の二人の研究者は1930年代の米国のニューディール政策、1991年のソ連崩壊、1997年のタイの東アジア通貨危機、2008年以降のギリシャの経済危機等様々な事例を取り上げて経済・疫学の視点からデータに基づいて極めて冷静に分析しています。ここでは詳しく内容の紹介はできませんが(興味のある方は是非一読ください)結論は緊縮財政によって社会保障費(社会保護費)を削減してしまうと、国民の健康を大きく損なってしまうというものです。
(以下本書より引用)
「現実のデータを調べてみると、ある種の財政刺激策、すなわち特定の社会保護政策への予算投入は短期的に経済を刺激し、結果的に債務軽減にもつながることがわかる。そうした政策への1ドルの投資は3ドルの経済成長となって戻ってき、債務返済にも充当できるようになる。逆に急激かつ大規模な財政緊縮策の結果を調べてみると、当初の意図に反して、景気低迷を長引かせる結果に終わっている」 「研究を重ねてきた結果わかってきたのは、健康にとって本当に危険なのは不況それ自体ではなく、無謀な緊縮政策だということである。」

このように医療費等の社会保障費用は単純に抑制すればよいというものではないと考えられます。財政面のみならず少子化対策、教育、雇用を含めた総合的な視点からより効果的な社会保障政策を考えるべきだと思います。そしてそのような社会システムを構築するための鍵を握るのはIOT、人工知能(AI)等の情報処理技術に間違いありません。

医療・介護の現場を支える我々もこれらの分野の動向に関心を持って臨み、積極的にその成果を取り入れていきたいと考えてい ます。

 

    理事長 竹田 秀