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【①内服調剤業務】
処方箋に基づいて用法・用量、相互作用や重複投与などがないかを確認し、必要時に医師に確認（疑義照会）して調剤を行います。当院では安全に迅速にお薬をお渡しするために、調剤機器（自動錠剤分包機、全自動散剤薬分包機、錠剤一包化監査システム、散薬・水薬調剤支援システム、自動軟膏練り機）を使用するだけではなく、１つの処方を複数人の薬剤師が間違いないか確認を行います。
※錠剤一包化監査システムとは一包化された薬剤の内容を自動的に確認する機械です。
【②注射調剤業務】
注射処方箋に基づき注射の投与量、投与期間、配合変化、ルートなどを確認し必要時に医師に確認（疑義照会）します。当院ではアンプルピッカー（注射薬自動払出装置）や注射のバーコードリーダー（計数調剤管理システム）を使用して、患者さんごとに１日分の注射薬をセットして病棟に払い出しをしています。
【③抗がん剤・TPNの無菌調製業務】
抗がん剤の調製では職業被曝を防ぐために安全キャビネットクラスⅡタイプB2や全ての抗がん剤でCSTD（閉鎖式薬品移送システム）を使用しています。
また注射薬混注監査システムを用いて抗がん剤の調製ミスがないかを確認し、さらに複数人の薬剤師で確認を行うことで安全性を確保しています。
入院および在宅で使用されるTPN(中心静脈栄養法)の調製をクリーンベンチ（菌などが入らないように調製できる装置）を用いて行っています。
【④院内製剤業務】
院内製剤は多様でかつ個別の医療ニーズに対応するために医療法の下で医療機関の責任下で調製されている製剤です。当院でも安全で安心かつ適切に院内製剤を調製し使用しています。
【⑤医薬品情報業務】
医薬品情報は医薬品の使用だけでなく、開発、製造のあらゆる過程において存在しています。
多種多様な医薬品情報の収集、評価、提供、管理を行い、病院全体で薬剤が適正に使用されるための体制の構築や教育など司令塔のような役割を担っています。
【⑥薬剤管理指導業務】
患者さんが入院されたら、服用していたお薬の確認や評価、副作用歴・アレルギー歴などの情報を収集し必要な情報をスタッフへ提供しています。内服薬、外用薬、注射薬など全ての医薬品の使用状況を確認し、スタッフからの情報収集やベットサイドに伺い、適切な医薬品の使用が行われているか評価することで、医師・看護師などのスタッフへ医薬品の情報提供や医師への処方提案や検討、患者さんへお薬の説明などを行います。
回診への同行、各病棟やNSTなどのカンファレンスへの参加、感染制御チーム・抗菌薬適正使用支援チームや緩和ケアチームなどへの参加と多職種と連携して質の高い医療を提供できるよう努めています。
※入院支援センターでの取り組み
入院前より服用しているお薬の確認を行うことで、休薬するべきお薬・OTC・サプリメントを予め医師と検討し患者さんに説明を行います。
【⑦外来化学療法業務】
治療歴や抗がん剤の処方箋に基づき投与量・投与時間・支持療法薬、検査値のオーダーを確認し、必要に応じて医師とレジメンの内容や投与量の確認や検討を行います。
患者さんとの面談を通して抗がん剤のお薬の説明や評価、副作用の対策薬の処方提案を積極的に行っています。薬剤師外来だけではなく、電話サポートや医療用アプリの実施、フィジカルアセスメント(聴診器、ペンライト、簡易心電図計など)を行うことで副作用の早期発見に努めています。
抗がん剤の効果を最大限発揮し、副作用や心理的・社会的な負担を出来る限り軽減することを目的に医師・看護師・管理栄養士・理学療法士・臨床心理士・社会福祉士などの多職種と連携を密に取り合っています。
※PBPM
PBPMはプロトコールに基づく薬物治療管理のことで薬剤師が医師と事前に作成・合意されたプロトコールに基づき、実施する業務です。当院では外来がん化学療法患者においてPBPMを活用しており、早期の副作用対策、医師の負担軽減など一定の成果を挙げています。
※がん悪液質対策
がん悪液質は体重減少や食欲不振とそれらに伴いＱＯＬ(生活の質)が低下するだけではなく、化学療法の効果の減弱、副作用や治療中断の増加、さらには生存率にまで影響を及ぼすとされます。多職種で専門性を活かした介入を行うことで、化学療法の継続や負担の軽減、ＱＯＬ(生活の質)の低下の予防をサポートします。
【⑧治験薬関連業務】
治験とは、「薬の候補」を用いて国の承認を得るために行う試験です。
患者さんが安心して治験に参加できるようにCRC(治験コーディネーター)として参加しています。
【⑨地域連携】
地域の保険調剤薬局の薬剤師と病院薬剤師の連携を「薬薬連携」といいます。
地域包括ケア（医療・介護・予防・生活支援の一体的な提供）の推進には、病院と保険調剤薬局の連携が重要です。会津地域では薬薬連携を通じてそれらの問題を解決するべく『会津薬薬連携協議会』を発足し、様々な取り組みを行っています。当院は事務局として中心的な役割を果たしています。
～会津お薬手帳(会津地域統一のお薬手帳)～
従来のお薬手帳とは異なり、病名・検査値・調剤方法・残薬・注射・疑義照会等を記載するページを設けることで、医師はもちろん、患者さんが見ても分かりやすい手帳となっています。
【⑩実務実習生への教育】
薬学部では5年時に11週間病院で実習を行います。
薬学生は実務実習モデル・コアカリキュラムに基づき、病院で調剤・調剤業務、医薬品管理業務、病棟・外来薬剤管理指導業務など学びます。
当院では積極的に実務実習生を受け入れることで、将来の薬剤師の育成に尽力しています。 |
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