●狭心症、心筋梗塞
狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患に対する検査、治療を行っています。トレッドミル運動負荷心電図、心筋シンチグラフィ、256列心臓CTなどにより外来での評価も可能ですし、入院での心臓カテーテル検査も数多く行っています。狭心症や心筋梗塞の中で、冠動脈多枝病変や慢性完全閉塞病変、左冠動脈主幹部病変などの治療難易度の高い病変に対しても、十分なインフォームドコンセントのもとカテーテル治療に取り組み、良好な成績を得ています。さらに当院では、県内でも施行可能な施設が数施設に限られている、高度石灰化病変に対するロータブレーター治療が可能です。また病状に応じて、当院心臓外科と連携して冠動脈バイパス術を検討する場合もあります。
●不整脈
心房細動、発作性上室性頻拍症、心室頻拍、心室細動、ブルガダ症候群、洞不全症候群、完全房室ブロックなどの不整脈疾患に関しても、最適な薬物加療やペースメーカー治療を行っております。2019年には会津地域で初めてとなる、リードレスペースメーカーの植込みも行いました。不整脈に対するカテーテルアブレーションや、突然死予防のための植え込み型除細動器（ICD）、両心室ペーシング機能付き植え込み型除細動器（CRT-D）についても、県内の他施設と連携体制をとりながら適応を検討し診療を行っています。
●心不全
心不全には種々の原因がありますが、虚血性心疾患や心筋症（拡張型心筋症、肥大型心筋症、サルコイドーシス、アミロイドーシス、Fabry病など）、心筋炎、弁膜症などの原因を鑑別した上での、最適な薬物加療を行っています。薬物加療だけではなく、心不全治療としての心臓リハビリテーションも、入院患者さんだけではなく外来でも行っています。重症な患者さんへ適応が検討される心臓移植や植え込み型補助人工心臓の適応についても、熟練した他施設と十分に検討をすることができます。
●末梢動脈疾患
運動時に四肢の疲弊や疼痛などを来す、また四肢の壊死を来す末梢動脈疾患の診療を行っています。四肢血圧脈波測定、皮膚組織灌流圧検査、超音波検査、造影CTなどの検査で血管の状況を判断します。適応があると判断された場合には、末梢血管、主に下肢血管の狭窄及び閉塞に対するカテーテル治療を行っています。 壊死に対しては形成外科と協力して治療を行っています。
●弁膜症
高齢化社会に伴って、大動脈弁狭窄症などの弁膜症の患者さんが増加しています。弁膜症が原因で心不全になることがあるので、状況により治療が必要です。感染性心内膜炎の診療も可能です。超音波検査や、3D経食道心エコー検査、心臓カテーテル検査などで弁膜症の診断を行い、薬物加療や、当院心臓外科と連携しての手術を検討します。最近は大動脈狭窄症に対してのカテーテル治療も行われるようになり、実施施設である福島県立医科大学と連携して治療の適応を決めています。
●肺高血圧症
肺動脈の血圧が高くなることで、息切れや倦怠感などが出現し、低酸素血症や心不全となる疾患です。これまで治療が難しい病気でしたが、近年、薬物療法の進歩により、生存率が改善するようになってきました。肺動脈性肺高血圧症、慢性血栓塞栓性肺高血圧症に加え、全身性の疾患を基礎に肺高血圧に至るなど様々な原因がありますが、心臓カテーテル検査や超音波検査、肺血流シンチグラフィなどによる検査で、正確な診断ができるようになっています。特殊な疾患ではありますが、肺高血圧外来を開設して専門的に診察することができます。必要に応じて県内他施設と連携して最先端の薬物療法や慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対するカテーテル治療も行うことが可能です。
●深部静脈血栓症
肺血栓塞栓症の原因となる深部静脈血栓症に対しての診療を行い、患者さんによっては下大静脈フィルター留置術を行うこともあります。
●成人先天性心疾患
心房中隔欠損症などの成人先天性心疾患や、小児期に先天性心疾患を手術した後の患者さんに対する診療を行っています。開胸手術よりも低侵襲で行うことができるとして近年注目されてきている、心房中隔欠損症に対する経カテーテル的心房中隔閉鎖術についても、県内の他施設と連携をとり、適応を検討することが可能です。
●シャント不全
透析患者さんのシャント用の血管の狭窄病変（シャント不全）に対する経皮的シャント拡張術を行っています。 |
診療日のご案内 
鈴木 聡（科長）