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地域がん診療連携拠点病院

地域がん診療連携拠点病院とは

がん診療のご紹介

胃がん・肝臓がんについて

胃がん 消化器科科長 若林 博人

胃がんは数年前までがん死亡の1位でしたが、今は肺がんで亡くなる人々の数のほうが増えました。しかしながら、毎年5万人の人々が今も亡くなっています。この数値は死亡者数の5.4%にもなります。年齢が高齢になるにつれ罹患率が上昇する高齢者に多い疾患であり、今後高齢者が増加するにつれ罹患率は増加するものと予想されます。男性では第2位、女性では第1位の死亡数を認めており、最も注意すべきがんの一つですので、早期発見、早期治療が重要です。

症状

早期胃がんの半数は無症状ですが、上腹部の痛み、上腹部不快感、腹部膨満感、げっぷ、胸やけ、食欲不振などの症状をみとめることがあります。血液を吐いたり、便に血液が出たりすることもあります。進行すると、体重減少、貧血、食物のつかえ感がでることがあり、また、上腹部に腫瘤をふれたり、腹水がたまることもあります。

検査

最も一般的な検査は、胃X線造影検査(胃透視)です。胃透視は、病変の場所、大きさ、深さなどを診察するのには有効ですが、小さな病変(早期胃がん)を発見するためにはあまり有力ではありません。早期胃がんなどの小さな病変を発見するために最も有効な検査は、胃内視鏡検査(胃カメラ)です。胃カメラは、胃の中をくまなく調べることができるとともに、病気を発見した時、その一部を採取して診断を下すことができます。

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肝臓がん 消化器科科長 若林 博人

50〜60歳台の男性に多く、ウイルス性肝炎(B型、C型慢性肝炎)で肝硬変になった場合は非常に高率に肝臓がんを併発します。C型肝炎でアルコールを多く飲む人に肝臓がんの発生率が高いともいわれています。

症状

右脇腹、みぞおちあたりの鈍い痛みや張った感じ、全身のだるさ、微熱が時に認められますが、これらの症状はかなり進行した状態で出てきます。小さながんのうちに発見することが大切です。

検査

肝臓がんを早期に発見するために最も簡単で有効な検査は腹部超音波検査です。この検査は体外から超音波を体内(肝臓)に向かってあてて肝臓の中を見る検査です。全く痛みはなく、時間も10分程度で済みますし、気楽に受けられる検査です。皮下脂肪が厚くて腹部超音波検査ではうまく肝臓の中が見えない方、腹部超音波で異常が疑われる場合などは腹部のX線CTやMRIという検査をします。どちらも苦痛の無い検査です。 これらの肝画像診断に加えて、肝臓がんに特異的な腫瘍マーカーを血液で測定することで1cmくらいの小さな段階でがんを発見できるようになっています。

治療

内視鏡的粘膜下層剥離術胃の病気で新しい治療として早期胃がんに対する内視鏡的粘膜下層切開術を導入しました。従来は粘膜をスネアという電線の輪でくくって焼き切る方法で病変の大きさは2cmくらいまでの小さなものに限られていましたが、新しい方法では粘膜の下に液体を注入し空間をつくり内視鏡先端から電気メスを出して粘膜下層を切って剥がす方法で、5cm位の大きな早期がんでも一括で切除できるようになりました。

ラジオ波熱凝固療法(針の改良):肝臓がんでは手術ができない症例で直径3cmまでのものは、肝臓がんに直接針を刺し、通電し焼灼するラジオ波熱凝固療法を行ってきましたが、針の改良で苦痛が少なく、最大5cmまで治療できるようになりました。

化学療法の進歩:手術不能な消化器がんに対する化学療法も新しい抗がん剤の導入により、副作用が少なく延命に寄与できるようになりました。進行した胃がん、肝臓がん、膵臓がん、大腸がんでも化学療法で2年以上元気な患者さんもいらっしゃいます。

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