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地域がん診療連携拠点病院

地域がん診療連携拠点病院とは

がん診療のご紹介

大腸がんについて

副院長 外科科長 輿石直樹

大腸がんは近年急激に増えつつある悪性疾患の一つとして挙げられており、我々の身近な疾患となりつつあります。
大腸がんの増加は、食生活の欧米化が寄与していると言われ、高蛋白、高脂肪の食事が関係しているとされています。しかし、大腸がんの発見は、胃がんに比較して、進行がんが多く、なかなか根治できないのが現状です。
今回は急速に増加している大腸がんについて、直腸がんも含め、お話しいたしましょう。

症状

進行したものでは、血便、黒色便など、出血に伴う症状や、腹痛、下痢、便秘などの腸閉塞に伴う症状が挙げられます。さらに進行したものではお腹の表面から腫瘍が触れることもあります。早期の大腸がんに関してはこのような症状はほとんど見られず、無症状なものが多いとされています。しかし、目に見えない程微量ですが大便中に出血することは多く、検診等で行なわれている便潜血検査は有効な診断の足掛かりとなります。

検査

大腸がんの早期発見のスクリーニング法としては、先にも述べましたが、便潜血検査が簡便かつ有用です。ただし、病巣からの出血は毎日起きている訳ではありませんので、二日法、三日法と連日便を採取する方法が行なわれています。ある集団検診の報告によると、大腸がん検診を受けた人の約12%が便潜血反応陽性で、10%の人が精密検査を受け、潜血反応が陽性で精密検査を受けた人の3.6%が大腸がんでその内60%弱が早期がんであったということです。また精密検査を受けた人の約32.7%に大腸ポリープが見つかりました。このように便潜血検査は大腸がんの早期発見に大変有用であると考えられています。便潜血反応が陽性の場合、精密検査として大腸内視鏡検査、または、注腸X線(バリウム)検査を行ないます。どちらの検査が有用であるかは、意見の分かれるところですが、大腸がんの最終診断は、大腸内視鏡検査時に行なわれる病変部からの生検で行なわれます。

治療

基本的にはがんを切除することが必要となります。
一概に切除と言いましても、手術でお腹を開いて行なう方法以外に、早期のがんでしたら、先にお話ししました大腸内視鏡を用いて、内視鏡的に切除することも可能です。この方法は、痛みも少なく、お腹を手術することに伴った合併症も起こらず、非常に有効な方法と言えます。しかし、適応の限界がありますので、全ての早期のがんに行なえる訳ではありません。大腸内視鏡で切除できない大腸がんでも比較的小さな病巣でしたら、お腹に小さな切開を数ヶ所行い、腹腔鏡という内視鏡を使って、お腹の中をテレビモニターに映し出して、病巣を切除します。この方法は、従来の手術法同様に全身麻酔下で行ないますが、手術侵襲が小さく、術後短期間で退院が可能となります。腹腔鏡を用いた方法は比較的新しい手術手技であり、最近、当院でも行なっております。しかし、過去に開腹手術の既往がある患者さんや、下部直腸のがんなど病巣の部位によって適応とならないことがあります。以上の方法で切除できない病巣に関しては、従来通りの開腹手術による切除の適応となります。開腹手術は病巣のみならず、周囲のリンパ節も広域に切除の対象となり、リンパ節に転移した進行がんに対しても根治性のある治療が可能となります。しかし、先に挙げた二つの治療法に比べ、術後の痛みが強く、侵襲も大きくなります。以上治療法の点から考えても、早期にがんを発見することは、大切だと言えます。

竹田綜合病院外科

外科の治療対象の疾患は急性虫垂炎や急性胆嚢炎などの炎症疾患と消化器がん(乳がんを含む)などが挙げられます。治療に際しては術前検査の後、外科医師による術前検討会を経て治療方針を決定しており、必要に応じ、消化器科医師との合同検討会で侵襲の少ない内科的治療も積極的に採用しています。手術は患者さんやご家族に充分な術前説明を行った後、実施致します。手術術式には大学病院やがんセンターなどに引けを取らない標準的な方法を採用し、腹腔鏡などを用いた先進治療も導入しております。また、がん治療に関しては手術前後の化学療法や放射線治療などの補助療法を併用し、高い治療効果をあげています。これら入院から手術を経て退院に至るまでのスケジュールはクリニカルパスなどの治療計画に基づいており、効率的な治療を提供する事に心がけております。 救急患者さんに対しては24時間の受け入れをモットーとし、緊急手術も迅速な診断の後、速やかな手術の遂行が出来る救急体制を敷いており、多くの患者さんに高い信頼を得ております。高い技術の提供と痒いところに手が届くサービスが信頼の証しとして皆様の診療にあたります。

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